「君は誰だい?」
さぁと吹き抜けた新緑の風は優しく頬を撫で二人の間を通り抜けた
薄汚れた彼女の姿は一見奴隷のようで隣にいる彼とはどうも不釣り合いである
彼は言うならば神、神同等の地位に立つ龍神であった。
中国のとある山にて緑を司る神とし生まれた彼は人からの愛を知らない。信仰すらされなかった緑の龍神。
故に愛することも知らず彼のそばに居たのは緑と風とそれを運ぶ小さな世界(原子)であった
「再度聞く。君は誰だい?そして君の目的は?」
何度時間を置いても答えない彼女に痺れを切らしたのか、彼は呆れ気味にそう尋ねた。
それも然り、何故なら彼女は彼の言葉がわからない。
いつも聞いている言語とは全く違い、そしてそれが彼女にとってまさに神を表す証拠として見えた。
彼女は自分の知る言葉で助けを求めた
「村が流行病で、飢饉でもう大人も子も皆ボロボロなんですっ!!」
そう彼女は助けを求めたが案の定彼には何を言っているかまるで意味不明だ。
「ちょっと、君何言ってるの??
なに君東の国の民?それとも西?てかここは何処なのさ。からかうのもいいかげんにして」
ツノがピンと立て相手を警戒する彼に合わせ周りの緑な一斉にざわめき出した。
幹は唸り、葉は合唱をし風は不穏な空気を運んでくる。
しかし彼女は怯まなかった
村を自身の家族を守るという偽善の心をフル稼動させ彼女は神にたてついている
「...まぁいいやちょっと待って」
いまこの娘を殺してもなんの意味がない。
このまま言語がわからないのも面倒臭いものであり、致し方なく植物に言語を学ぶ。
周りから見れば頭のおかしな行動緑を唇に寄せそっとその植物の記憶を読み取る
わかった情報はこの世界の言語さはてここは自身が生まれた世界でないことと今己はディプレストという大地にいるということだけ。帰る術など知らず思考が止まる
「神様?主人様?どうかしましたか?」
彼の心情など知らない彼女はそう彼に声をかけた、
自身の欲を自身の平和を神に満たしてもらう為。
しかし彼には緑にしか向かない優しさと緑にしか寄り添わない愛情しか持ち合わせていない。
そんな彼が誰が為に人を救おうと思うのか?
「...そう、粗方の情報はこの子達から聞いた。君には用がないし君の為に働きたくもない。帰ってくれ」
そう冷たく突き放した。
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こんにちはNATTUです。
えと、妄想詰めて詰めて詰めた小説です。
短いです。はい。そして彼女はモブ女です
名前募集((
今回は無名の過去を書かせてもらいました
無名を書き終わったらシキのやんちゃ時代を描いてみたいな...((
どうもお粗末様でした!
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