各話ゲストの言動はイメージです。
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モ「ああ~~~ッ 待って待ってモロクくん!!」
場所は変わって、マジクル・タウンのマルシェ。
とてとて、と駆け出したモロクを
モニカが飛びつくように慌てて止めた。
フラがしゃがみこんで、モロクの袖を引き寄せると
その上にコインを乗せる。
フ「お金を払うんだよ。」
モロ「あっ」
そうだった!と目を輝かせて、
少年はまた とてとて と店の中に戻って行った。
フ「…いやいや、新鮮だねえ」
モ「最後のお願いごと、気を付けて考えないとなぁ~~;」
砂漠の妖精のイタズラで、小瓶の中に閉じ込められてしまったモロク。
フラ・モニカ・エリカの3人が偶然にも助け出したのだが、
その3人の"願い"をかなえるまでは、手足についた枷が消えないというのだ。
モ「フラさんが『お花に水をあげて』ってお願いしたら、海まで水汲みに行こうとしたもんね~~」
フ「はは、私も驚いたよ。"ミズ水晶"を知らなかったとは」
そう、彼らが気付いた最大の問題点。それは。
モロ「フラさん!モニカおねえちゃん!」
見てみて~~!と言いながら、モロクが嬉しそうに駆け戻ってくる。
モロ「『おかね』渡したらね、リンゴとね、もっとたくさん『おかね』もらった!」
モ「あっモロクくん、それは『おつり』って言って…えーと、まずお金には種類があってね」
フ「モニカくん、また今度にしよう。少しずつ、覚えて行けばいいよ」
モ「あ、そうだね!そうしよう!」
モロ「?」♪
そう、このトカゲの化身であるモロクには
魔法に対しても、文化的な生活に対しても、あまりにも知識がないのであった。
ひとつめの願いは、フラからの『お花に水をあげて』。
海まで水を汲みに行こうとしたモロクに、花は海水では育たないこと
そして、この世界には 水を生み出す魔法が存在することを教えた。
ふたつめの願いは、エリカからの『リンゴを買ってきて』。
「買う」という行為すらよくわからなかったモロクのため、
フラとモニカが一緒にお買いものに来たというわけだ。
モ「よっし、そしたら、そのリンゴをエリカちゃんに届けよー♪」
モロ「おーっ!」♪
「おーーっ♪♪」
∑(@ω@`;)ビクゥッ!?
いつの間に背後からノッてきた声に、モロクが驚き ポンッとトカゲの姿に戻る。
モ「あ~~っ モロクく~~~ん!;」
「あり?ありり?ビックリさせちゃった??ごめんね~~?ww」
そう言って笑う、背の高い男。
すぐに ポンッ と人型に戻ったモロクは、
ササッとモニカの後ろに隠れて 男を見上げた。
「おっつ、完全に警戒してる感じ!?;」
軽い言葉で頭をかく男の横で、
フラが困ったように笑う。
フ「やれやれ…モニカくん、モロクくん。彼はオルフェ。私の友人だよ」
オ「そうそう、お兄さん怖くないヨ~!!」
男は両手をひらひらと広げると、
あ、そうだ!と、思いついたようにポケットに手を入れて何かを取り出す。
オ「ほぉらチビちゃん、これあげるから仲良くしよ☆」
モロ「?」
男が手を広げると、中から、どんぐりと木片でできた小さな人形が顔を出した。
ドングリはちょこん、と立ち上がると 手を胸にあてて深々とお辞儀をする。
モロ「わぁ~」
モ「なにこれー!すごーい!」
オ「わぁ!お兄サン嬉しー☆彡可愛い子にはもっとあげちゃう☆」
ポケットからバラバラとドングリを落とす男。
次々に立ち上がって踊り出す木の実に、モロクは目を輝かせた。
フ「きみは子供の心をつかむのが上手だねぇ」
オ「そりゃぁ、これも営業ですからw」
そう言って、男は胸元から名刺を取り出し、モニカとモロクに手渡す。
オ「このオモチャね、このお店のリジーっていうオバ…オネエさんが作ってるの。
良かったら今度遊びにきてね。オルフェお兄さんの紹介って言えば、サービスしてくれるよ~★」
モ「ほんと??ありがとー!」
モロ「ふわぁ~~~///」
宣伝もむなしく、モロクは名刺よりも
石畳の上で踊る小さな人形に夢中なようだ。
その視界を遮るように、フラの杖が地面をコンコンとたたく。
フ「ほうら、そろそろいかないと、エリカくんが待っているよ」
モロ「Σはっ そうだ。リンゴ!とどける!」
言葉とは裏腹に、どこか名残惜しそうなモロク。
またゆっくりお店においで、チビちゃん。とオルフェに頭を撫でられ、
「うん!」と大きな返事をした。
まったね~☆彡 と満面の笑顔で両手を振るお兄さんを背に、
一行は エリカの待つフラの事務所へと帰路を急ぐのだった。
つづく
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