ピオス、このせかいきてから、たのしいことばっかり。
さいしょは、びっくりしてないちゃったけど。はなせるようになって、うれしくて。
ごしゅじんとはなせるようになって。うれしくて。
ごしゅじんやエヴァといっぱい、いっぱい、あそんで。
まえは、わからなかったことも、いまはわかる。
まえにはできなかった、おともだちも、いっぱいできた。
ふろしきせんせーの、おうちのひとたちも、そう。
ごしゅじんたちといっしょに、とってもいっぱい、あそびにいく。
やさしいひめや、やさしいせんせー。
まほうのてがすごい!ラクスや、かっこいいおねえさん!なアガト。みんなだいすき。
ごしゅじんに、ひめとせんせーにあいたい!ってよくおねがいするよ。
だってだって!もっとあって、もっとピオスみんなといっしょにいたい!
もっと、ここでたのしいこと、いっぱいしたい。
せんせーも、いつもやさしくわらって「おいで」っていってくれて。
おいしいものもいっぱいくれて。
ピオスすごくうれしい。
せんせーともっといっしょにいれたらピオス、うれしいよ。
だいすきなせんせーの、たいせつな、ふろしき。ピオス、やぶいちゃった。
ひどいことしたのに、せんせーは「ええよ」ってわらって、ピオスのあたまをなでた。
でも、すごく、つらそうにわらうからピオスもつらくて。
あわててごしゅじんのところに、せんせーのおててひいて、いった。
ごしゅじんならなおせる? ねえ、なおせる?
「せんせーのふろしき、なおる?なおる?」
おろおろして、おちつけなかったピオスにごしゅじんは、いった。
しんぱいしないで。とちいさくひとこと。
「……大丈夫だよ、ピオス。ほら、直った」
「なおらなかったら、どうしよう、っておもった……よかったあああ……っ」
「……四鬼丞にはちゃんと謝った?」
「うんっ、うんっ」
「……そう。いい子だねよく出来たよピオス。ほら、泣かないで」
ゆるしてくれたけど、つらそうで、ピオスもつらい!
そういったら、ごしゅじんはすこしなにもいわなくなってから、くちをひらく。
ごしゅじんのおめめは、とっても、あったかだった。
「……あのねピオス、前に言ったね」
「うん?」
「……………このフロシキはね」
『このフロシキはね、四鬼丞の「しあわせ」を願った人の贈り物。
だから、泣くほど大切なんだ。今度からは気をつけてあげればいいんだよ。
……四鬼丞がこの世界に来た時。
私も、そこにいた。
彼は死にかけていて。
たくさん水を飲んでいたから、サクヤに頼まれてね、水に出て行ってもらった。
その時、彼の世界の水に、私は教えてもらった。
四鬼丞のしあわせを願った人が、水底から祈った、願いごとを。
そのフロシキにはいっぱい、想いがこもってる。
……だからピオス、私たちも、大切にしてあげようね?』
ごしゅじんのいってること、ぜんぶはわからなかった。
でもだいすきなせんせーの、しあわせだったら、ピオスもおねがいしたい。
うん。
せんせーのふろしき、ピオスもたいせつにしたい。
せんせーに、わらっててほしい。
あんなかお、もう、させたくない。
なおったフロシキをせんせーにわたしたら、さっきよりあかるくわらってくれて、あんしんした。よかった、ほんとうに、よかった。
「ありがとな」って、せんせーはいってくれた。
ごめんねごめんね、せんせー。ピオスだって「ありがとう」なんだよ。
ありがとう、せんせー。
『四鬼丞はしあわせになるためにこの世界に来たんだと、私とサクヤは思っているから』
ピオスも、ごしゅじんとひめと、おなじ!
こんどは、なかせたりなんか、しないよ。
『……ピオスは四鬼丞が好きだよね?
だったら、四鬼丞にしてあげたいことが、ピオスにもあるよね?』
うん。ごしゅじん。
せんせーはとってもやさしい、いいひと。
いつもえがお。
だから、「だいじょうぶかも」ってすこしおもった。
でもちがう。
こんなふうにわらわせるのはダメ。
しあわせな、えがおに、してあげたい。
「うん。ピオス、がんばる!」
…………ピオスおぼえたよ、やさしいせんせい。
*** *** ***
という訳でこんばんは!白月光菜です!<m(_ _*)m>
前にTwitterでUPした漫画に短文と新たなイラストを追加し、こちらであらためてUPです!
うちのムサシノ・フロシキせんせーとれむちゃん宅のピオスくんのお話.。
【ピオスおぼえたよ、やさしいせんせい】。
今回は文章の中にピオスくんのご主人様なリインウェルト・フェルディアくんも登場。
今回は完全にピオスくん視点のお話です!ひらがないっぱい!!(笑)
カラーイラストは今日描いた物です。(※15歳の時のフロシキせんせーです!)
れむちゃんと話していたことをとってもいっぱい反映させました(*´ω`)
リインくん一行はよくフロシキせんせー院に来てるよ!(常連さんだよ!)とか。
リインくんはせんせーを四鬼丞呼び、姫をサクヤ呼びなこととか。
リインくんがせんせーがこのマジクル世界に来た時、その場に居合わせたこととか。
本日聞いたネタもそのまま反映。
リインくんは水とおしゃべり出来る!とのことで、別世界(戦国次代の日本)の水から少しだけせんせーのお話を聞いていたという流れ。
全部が知れた訳じゃなく、知ったのは水底の彼女の想いのお話だけ。
せんせーの過去話・【やさしさを夢見たフロシキ】と合わせて見て頂けたら分かりやすい感じかな!と思います。
ではでは、今回はこれにて失礼します!
ここまで読んで下さり有り難う御座いました!<m(_ _*)m>
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